極上な恋をセンパイと。
誰もいないオフィス

思っていたのだけれど……。


週明けに出勤したあたしを待ち構えていたのは、他でもない。



「おはようございます」

「……」



たくさんの人が行きかう会社の一階フロア。
いきなり届いた声と共に、目の前にピンクの可愛いピンヒールが飛び込んできた。


フワリと鼻をかすめるのは、甘いフレグランス。

体のラインを強調した、柔らかな素材のタイトスカート。
うらやましくなるくらいの胸に、緩くまかれたハニーブラウンの髪。

誰もが守ってあげたいと思う、俗にいう男が好きそうな顔のこの人は……。



うげ、白鳥百合。




「……おはよう、ごさいます?」

「……」


爽やかな朝ににつかわしくない、今にも噛み付きそうな雰囲気。
引きつった笑顔で答えると、彼女の顔は途端にふにゃりと崩れた。

一気に花が咲いたような空気になる。



「佐伯さん待ってたんですよ~」



……へ?




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