極上な恋をセンパイと。
「部長、どうしたんですかね。突然慰安旅行なんて」
ランチタイム。
いつもの定食屋で、柘植さん真山くんと三人でテーブルを囲んでいた。
「あぁ、渚ちゃんは知らないか。渡部部長の恒例行事なんだよ。だから今年から俺たちも部長の温泉仲間に加わったってわけ」
お味噌汁を吸いながらそう言ったあたしに、柘植さんが教えてくれた。
恒例なんだ……。
「初めて参加なのは、渚ちゃんだけなのかな」
「え、そうなんですか?」
そう言って真山くんを見上げた。
「俺は去年からの参加組です。楽しみっすね!渡部部長って誰とでもこう親しくしてくれるって言うか。気さくだし」
「今年も20人くらいは集まるんじゃないかな。あ、もちろん参加は自由だからね」
へえ……そうなんだ。
じゃ、じゃあ……もしかして、センパイも……。
「イズミも来るよ」
「え?」
柘植さんはそう付け足して、ニヤリと笑った。
心の中を見透かされた気がして、ギョッとした。