極上な恋をセンパイと。


「来るって言っても、毎年無理矢理参加させるんだけど」

「へ、へえ。そうなんですね」


眉間にシワ寄せた、ものすごーく不機嫌なセンパイが想像出来てしまう。
動揺がバレないように笑ったあたしに、柘植さんはさらに追い打ちをかける。



「まあでも、今年は無理矢理ってわけでもないかもね」

「? どうしてですか?」

「渚ちゃんがいるから」

「へ?」


意味深な笑みでそう言われれば、頬がカッと火照る。
他の社員もいるって言うのにそんな事を言うもんだから、思わず声が上ずってしまった。


い、イジワル!柘植さんのイジワル!


「え、どうして渚さんがいると久遠センパイが来るんですか?……て、え?ふたりそう言う関係?」


ハッとしたように真山くんが身を乗り出した。


「ちちち、違う違う!柘植さん、誤解を招くような事言わないで下さいっ」


口に入っていたご飯が違う場所に入っちゃいそうで、慌ててゴクンと飲みこんだ。


「え~?誤解もなにも、そうゆう関係でしょ?」

「へえ、いつからそんな……。あの久遠センパイを落とすなんて。やりますね、渚さん!」

「いやいやいや! だから違うってば!」


ブンブンと首を振る。

あたしの必死の否定も虚しく、オフィスに戻るまでは柘植さんにからかわれるハメになってしまった。


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