極上な恋をセンパイと。
なぜか顔が熱い。
なんであたしが久遠センパイの事で赤くならなくちゃいけないのよ。
火照った顔を紛らわすように、残っていたご飯を口に放り込んだ。
「でも俺、うらやましいっす」
そう言ったのは、柘植さんと同じように笑っていた真山くんだ。
彼はあたしよりひとつ年下の後輩で、どうも久遠センパイのようになりたいと、日々頑張っているらしい。
「だって”あの久遠センパイ”っすよ?俺、あの人の下で学べるなら何でもします!現に今だって同じ部署で同じプロジェクトに携われるなんて、夢見てる見たいっすもん」
「へえ!和泉は男にも人気なんだな」
柘植さんはそう言って笑った。
へえ……。
そう言うもんなんかな。
一秒たりとも気の抜けないセンパイの隣なんて、すぐに変わってあげるのに……。
久遠センパイについて熱く語る真山を横目に、さっきの久遠センパイの背中をなんとなく思い出していた。
「よぉーし!今から飲みに行くぞ!親睦会をかねてだ」
「いいすね。 じゃあ、駅前の居酒屋に空いてるか聞いてみます」
夕方7時過ぎ、今日は早く仕事が片付いたからみんなで飲みに行くことになった。
でも……。
「あれ、センパイは行かないんですか?」