極上な恋をセンパイと。
「! ……んんっ」
驚いて口を開いたその隙に、中へ熱いものが入ってくる。
なっ……!
「……っ、」
抵抗しようにも、頭をしっかり抱え込まれ、さらに脚までも押さえつけられた。
逃げても捕まって、甘く絡め取られてしまう。
あたしの全部を奪っちゃうような、そんなキスに、頭の芯が痺れていく。
「……んっ」
こんなキス知らない……。
角度を変えて、何度も何度も奪われる。
膝が震え、立っていられなくなりそうで思わずセンパイの腕を掴んだ時、やっと解放された。
前髪が触れるその距離で、センパイの切れ長の瞳が伏し目がちにあたしを捉えた。
センパイの唇が、あたしのルージュで赤く濡れてる。
「……、な、なんで……」
真っ赤になって、肩で息をするあたしを眺め、熱を持っていた瞳が挑発的に細められた。
「今度俺の誘い断ってみろ。 ……こんだけじゃ済まさねーぞ」
そう言って、親指で自分の唇とクイっと拭う。
「……」
センパイはそれだけ言うと、さっさと会議室を出て行ってしまった。
薄暗い会議室に、ひとり残された。
―――パタンと扉が閉まる音。
その瞬間、立っていられなくてズルズルと壁をつたい、その場にペタンと崩れ落ちた。
震える唇。
「な、なんなの……」
キスしただけなのに、体中が疼いて堪らない。
頭が、身体が。
甘い余韻で、いつまでも痺れていた。