極上な恋をセンパイと。
隣の机には、まだパソコンと睨めっこしてる久遠センパイ。
「キリが付いたら合流する」
「え? まだ仕事ありました?」
「いや、俺がやりたいだけだけから」
あたしの方なんか見向きもしないで、手を動かし続けてる。
キーボードを打つその指は、まるで別の生き物みたいに動く。
「俺のことはいい。お前は先に行け」
そんなこと言われましても……。
お昼に引き続き、あたしだけ行くなんて……。
――カタカタカタカタ
ものすごいタイピング音。
「……」
わ。指、長い。
スラッとしてて、キレイ。
なのに骨っぽくて、男の人なんだ……。
そんなことを考えながらぼんやりとその指を眺めていると、不意にセンパイが顔を上げた。
……ドキ!
や、やば。
ギョッとしているあたしに向かって、センパイは口の端をクイッとつり上げて、意地悪く笑う。
「なんだよ。お前まさか俺のこと待つのか?」
え?