極上な恋をセンパイと。
そうして迎えた週末。
「それで。どうしてあなたがここにいるの?」
「え?」
マイクロバスを貸し切って、高速道路をひた走る。
揺られること1時間。
流れる景色から視線を移すと、大きくて愛らしい瞳を瞬かせた白鳥百合が首を傾げた。
……む。
「だから。どうして白鳥さんがあたしと並んで座ってるのかって聞いてるの!」
「なによ、久遠さんと並びたかったって言いたいの?」
「ち、違うけど」
思わず口ごもると、白鳥百合はチラリと視線を動かした。
ん?
その先を追うと、そこにはフワフワ揺れるハニーブラウンの髪が。
「あの人が、しつこいのよ」
「……真山くん?」
そう言うと、白鳥百合は盛大なため息を零した。
「何かあれば、好きだ、可愛いだ。……なめてるわ」
「へえ。 いいじゃない一途で」
「一途!? ああ言うのを軽いって言うの!」
「……まあ、見た目は……でもいい子だよ?」
「あたし軽い男は嫌いなの。あと年下」
ふん、て鼻で息をして白鳥百合はシートの背もたれに身を沈めた。
年下ダメとか……真山くん……。
楽しそうに他の同期と笑い合ってる真山くんが、気の毒になってしまった。