極上な恋をセンパイと。
わぁ。すっごく素敵。
客室と寝室が別になった、なんとも贅沢な空間。
「全室露天風呂付きだって。やるわね、渡部部長。だから?今回の参加者10人といないでしょ?」
「露天風呂? すごい!
……って、なんであなたがここにいるの!
白鳥さんっ!」
思い切り振りかぶると、コートを脱ぐ白鳥百合がジト目であたしを睨んだ。
「……何よ。あたしより、久遠さんと同じ部屋がよかったって言うの?」
「だから違うってば!」
どうしてなの、部長!
と言っても、理由は明らか。
だって、今回の慰安旅行。
女性社員はあたしと、この白鳥百合のふたりだけなんだもの。
だからあたし達が同室なのは、当然と言えば当然なのだ。
でも。
それでも、なんだか納得いかなくて。
あたしは小さくため息をついた。