極上な恋をセンパイと。

「そうそう。イイですね~、色っぽい」

「え、そ、そう?」


凄く嬉しそうな真山くん。

色っぽいって……それ、あたしを見て言ってる?
白鳥百合の事じゃ……。


なんて考えていると、さらに距離を詰めた真山くんが目を細めた。


「ベビーブルー、ですか?」

「うん……あんまり種類なくて。どうせならピンクとか赤がいいよね。あと紺とかも大人っぽいし」


いちばん可愛いのは、もちろん白鳥百合に奪われてしまった。
ま、水色好きだからいいんだけども。

腕を伸ばして、自分の浴衣を眺めてみる。

白を基調とした小花柄。
帯は紫を選んだ。



「俺は、派手なものより、こーいう雰囲気の方が好きですけどね。あと、髪も!それどうやってるんですか?」

「ん?これはねー」


浴衣の為に結い上げた髪を、真山くんが興味津々に覗き込んできた。

と、その時だった。



あの声が聞こえてきたのは……。

< 142 / 243 >

この作品をシェア

pagetop