極上な恋をセンパイと。
それからしばらく黙っていた白鳥百合は、腕組みをしながら大きなため息をついた。
まるで、すべてを吐き出すように。
「あーあ!つまんないっ」
「つ、つまんない……?」
打ちのめされたような顔の真山。
上気していた顔は、一気に青ざめていく。
「行くわよ、真山!」
「……へ?」
「今日はとことん飲むんだから!そんなにあたしが好きなら最後まで付き合ってよねっ。カラオケ!カラオケに行くわよ」
「カラオケ……」
「なによ、歌えないって言うの?あたしが好きなんでしょ!」
「え、歌うよ。もちろん歌うけど……」
呆気にとられたような真山。
そんな真山を引きずるようにして、白鳥百合は出て行ってしまった。
……ったく。めんどくせー奴ら。
今度真山に、飯のひとつくらいおごらせるか。
気が抜けて小さく息を吐くと、まだボサッとしてる佐伯の後姿があった。
さっき倒れた拍子でまとめられていた髪が、無造作に崩れていた。
「……佐伯」
「は、はいっ」
小さく名前を呼ぶと、たった今我に返りましたって感じて小さく飛び上がって振り向いた。
はあ……なんかムカつくな。