極上な恋をセンパイと。

切れ長の瞳が、伏し目がちにあたしを捕えた。
前髪が触れる至近距離でじっと見下ろされて、ジワリと頬が熱くなる。



…………え。


え?

あたし、何か変だった?



「センパイ……あの?」



不安になって何度も瞬きを繰り返していると、突然体から熱が離れた。

あたしを解放して起き上がったセンパイは、そのままベッドから離れてしまった。
慌てて乱れた浴衣を直しながら上体を起こすと、センパイがポケットから何かを取り出すのが見えた。



「佐伯」


茫然としてたから一瞬反応できなくて。
振り返ったセンパイと目が合って、ハッとした。


「は、はい」

「……お前、行け」

「はい!……え?」


一瞬ポカンとしてしまう。

……行け、とは?

わけがわかりません。


ベッドの上で固まっていると、あたしに向き直ったセンパイが口角をクイッと持ち上げて苦笑交じりに言った。



「なんだよ、今ここで俺と一線越えるか?」

「へっ」


そそ、それをあたしに言わせますか?
アワアワと口を動かしていると、カチって音がしてセンパイが煙草を持ってるんだってわかった。



「このままお前といたら、止めらんなくなる」

「……」

「だから行け。 俺の気がかわんねぇうちに」





な……


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