極上な恋をセンパイと。
―――それから。
いつまでそこでぼんやりしてたのか、遅くに酔っ払った白鳥百合が帰ってきたのだけは覚えてる。
魂が抜けたみたいなあたしを見て、「あんたもハッキリしないのね」なんて呆れられた。
あたしがハッキリしないの?
こんな風に宙ぶらりんなのは、あたしのせいなのかな。
なんて言えば、「わかんないならいい」とかさらに呆れられて。
そうしてモヤモヤしたまま眠れぬ夜は明て行くのだった。
次の日。
朝食を食べるために、あたしたちは食堂へと集まっていた。
「おはよう。百合ちゃん、渚ちゃん」
「あ、柘植さん。おはようございまぁす」
「お、おはよう。百合さん……って、渚さん、どうしたの?」
朝から花のような笑顔を撒き散らす白鳥百合の隣で、気の毒な程目の下にクマを作ってるのは……そう、このあたし。
ギョッとしたように、身を乗り出した真山くん。
「……え、なにが?」
「なにって、ヒドイ顔だけど」
「失礼ね。元々こういう顔なんだけど」
ジト目で無遠慮な真山くんを睨む。
「そうそう。この人こーゆう顔だから気にしないで~」
「……む」
白鳥百合めっ!
なにが悔しいって、言い返せない自分が悲しい!
だって、今日も完璧に仕上がってるんだもん。
寝不足な上に、なんだか頭が痛い。
悩みがあっても、色々考えてるうちに眠ってしまえるあたしが夜明けまで眠れなかった。
はあ……。
小さくため息をついたその時。
真山くんの背後から久遠センパイが入ってきた。