極上な恋をセンパイと。
じれったそうに言われ、慌ててプレートを手に取った。
「ど、どうぞ……」
「サンキュ」
センパイはあたしから受け取ると、対して会話もなくさっさと行ってしまう。
その後姿を、見送りながら茫然としてしまった。
「………な、」
なによなによ、なんなのよあれはっ!
昨日の事は、いつものごとくリセットですかっ。
いくら久遠センパイだからって、そんなの許されないんだから。
これでもかって程邪悪な念を送っていると、いきなりセンパイが振り返った。
!
「佐伯」
「は、はい!」
バレちゃったのかな。
ビクビクしていると、席に座ったセンパイに「ここへ来い」とジェスチャーされた。
……お、同じテーブル?
座っていいんだ……。
あたしって単純。
たったそれだけの事なのに、胸がきゅんとしてる。
もしかしたら、ちょっとだけ。
ほんの少しだけど、センパイとの関係……変われたのかもしれない。
いそいそと椅子に腰を落とす。
コーヒーを口に運んだセンパイが不意に視線だけを上げた。