極上な恋をセンパイと。
ドクン
心臓が、鈍い音をたてた。
「宇野って、あの……」
顔面蒼白。
そんなあたしに気付いた部長が、キョトンと首を傾げた。
「どうした佐伯。宇野を知ってるのか?」
「え?あ、いえ……」
あたしは慌ててフルフルと首を振って見せた。
でも、あたし……たぶん知ってる。
宇野浩介は、2年前に付き合っていた……元カレだ。
違うよね。
同じ名前ってだけで、きっと違う。
だって、浩介は……。
「……」
胸の中に、まるで鉛が押し込まれたみたいに、一気に重くなる。
あの頃に、引きづり込まれてしまいそうだ。
パソコンの画面を見つめたままで、全然仕事に集中できない。
頭の中でいろんな考えがグルグルと回ってる。
浩介って、何の仕事してたんだっけ?
あの頃、大学生だったあたし。
2つ年上の浩介と初めて会ったのは、サークルの友達が開いた合コンだった。