極上な恋をセンパイと。

たまたま隣同士になったあたし達は、すぐに意気投合して……。
お酒も飲んでて……それでいい雰囲気になって。

―――ホテル直行。




付き合ってたのは、半年にもみたない。


すぐに浩介の海外転勤が決まって……それで別れることになったんだっけ。


それでもあの時、あたしは必死に恋していた。
遠距離になっても平気なくらい。

浩介を大好きでいられるって自信あった。

だけど、それを浩介は許さなかった。



『待ってろ、なんて。そんな無責任な事は言えない』



いつ帰ってくるかわからないのに、あたしの自由を奪う事は出来ないって……。

あの時のあたしには、浩介の言ってる意味が理解できなかった。

だからすごく傷ついて……。
あの時、流されてしまったあたしが悪いんだって、そう思った。


でなければ、この関係は始まらなかったのにって……。




そっか。浩介、帰ってきてるんだ。









「はあ……」


パソコンから視線を落として、資料に手を伸ばす。
どこを見る訳でもなく、パラパラとめくりパタンと閉じた。

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