極上な恋をセンパイと。

それに、あたしは。

子供みたいに、無邪気に笑うセンパイも知ってる。



もちろんそれは、センパイの好きな事で。
ファッションの事だったけど……。
いつか、あたしがセンパイの笑顔を生み出せる存在になれたらって、そんなおこがましいことまで願ってる。


無意識にジッとセンパイのキレイな顔を見つめていた。
浩介に向けられていた視線が、一瞬あたしを捕えた。



トク



「俺だって人間で、ただのひとりの男ですよ」



……トクン。



足……。





「悪い悪い。そんな怒るなって」



センパイ……足が、触れてるんですけど。
突然のぬくもりに、一気に現実味がなくなる。

朗らかな部長の声が、遠くに聞こえて。




スッと避ければ、追いかけられた。

うう……。

わざとだ……。

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