極上な恋をセンパイと。
強引なキス
「佐伯! お前ふざけんな!んな凡ミスしてんじゃねぇよ!」
「す、すみませんっ」
「やり直せ、1時間でだ!」
「は、はいっ」
デスクに戻って、ものすごい勢いで資料をめくる。
久々にこんなに怒られてしまった。
それもそのハズ。
昨日のセンパイの様子が気になって、資料の打ち間違えをしてしまったんだ。
前にくらべたら、だいぶ早く打ち込むことが出来るようになったし、タイピングのスキルは確実に上がってる。
あたしはキーボードを見ずに、資料とパソコンの画面を睨んだ。
あたしが悪い。
……悪いんだけど!
隣からは恐ろしいほどの速さでタイピングするセンパイ。
その横顔は、本物の鬼のようだ……。
き、機嫌わるっ……!
どうしたの?なんかあった?
昨日のあたしのフォローがいけなかったの?
すると、鬼の形相のセンパイがジロリとあたしを睨んだ。
―――うわ、こっち見た!
「なにぼーっとしてんだ。今度同じ間違いしてみろ。どうなっても知らねぇぞ」
「は、はいいい」
ひーーーん。
そんな怒らなくてもいいじゃないですかぁ!
その日はずっと、不機嫌なセンパイにビクビクして過ごす羽目になってしまった……。