極上な恋をセンパイと。
―――パタン。
「ただいまぁ」
1DKのアパートに帰る時は、こう言うのが日課になってしまった。
「おかえりー」
23歳、独身で彼氏もいないあたしには、もちろん応えてくれる人などいない。
そのせいか、哀しいかな一人二役やるようになってしまった。
「つ……かれたぁ」
大きなため息と共に吐き出された言葉。
あたしはジャケットをソファに放り投げると、その勢いのまま身を投げ出した。
「ぬぁーんで、あたしがアイツなんかと……」
悪態をつきながらブラウスのボタンを外し、パンストもはぎ取った。
一気に解放感に満たされる。
「ま、ご飯代が浮いたのだけは、感謝するけど」
ひとり暮らしって怖い。
独り言がすごく多い。
とにかく明日も早い。
センパイに怒られたくないし、今請け負ってる資料午前中でまとめちゃおう。
――よし!
あたしはパチンと頬を叩くと、浴室へ向かった。