極上な恋をセンパイと。
気が付いた時には、押し付けるように強引なキスをされていた。
「っ……ん」
なっ……。
抵抗しようと手を出せば、すぐに捕まってそのまま壁に押さえつけられる。
「ん、んんっ……!」
ギュッと閉じていた目を開けると、伏し目がちのセンパイがあたしを見つめていて……。
「や、やめ……」
深いキスの合間に言えば、それを呑み込もうと唇が重なった。
頭の芯がボーっとする。
身体の奥が熱を持つ。
声が漏れて、もうすでに立っているのもやっと。
たまらずに久遠センパイのシャツを掴むと、途端にキスが止んだ。
「っ、……はあ……っ」
潤んだ瞳でキッと睨んでセンパイを見上げた。
「だ、誰か来たらどうするんですか」
あたしの視線を黙って受け止めたセンパイ。
そして、一言。
「知るか」
へ?
センパイは、そんな動揺しまくりのあたしをジッと見つめて……うんん、正確には睨んで、さらに体を起こした。
そうして、エレベーターが再び止まると、センパイはあたしを残してさっさと降りてしまった。
その背中を見つめたまま固まっていると、静かに扉が閉まって行く。
『下へ参ります』
壁に張り付いたままのあたしを乗せて、エレベーターは何事もなかったように下降を始めた。
「……」
な、なんだったの……?