極上な恋をセンパイと。

ドキン!


心臓が跳ねる。

スーツじゃないセンパイは、やっぱり新鮮で。
きっとあたしは、何度見てもときめかされるんだろうなって思う。

乱れた前髪をササッと手で直して、センパイの元へ駆け寄った。


「すみません、遅くなって」

「いや、俺が早く来ただけだし。んじゃ行くか」

「……はいっ」


待ち合わせして……。
その待ち合わせ場所には、センパイがいて……。

ヤバい。
勝手ににやけちゃう。


街は華やいだクリスマス一色。
今日は特別な日になりそう。

先に歩き出したセンパイの隣へ滑り込むと、そっとその横顔を見上げながら幸せを噛みしめていた。




でも。
人生そんなに甘くない。

危険はすぐ隣りあわせだ。



それから数分後。

あたしは信じられない光景を目の当たりにしていた。
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