極上な恋をセンパイと。


「ちょっとイズミ~。なんで中華なの?オーガニックのお店わたし予約してあったのに」



え、そうなの?

美優を見ると、カロリーの高い中華料理は何も頼んでいなかった。



「美優さんは、あの……食べないんですか?」

「……。食べるわよ。すみませーーん!醤油ラーメンセットひとつくださーい」



セット?

パッとメニューを見ると、ラーメンセットには、餃子と唐揚げもついている。
なんかモデルさんって、毎食毎食全部カロリー制限してるのかと思った。


ポカンとしてると、なぜか美優に「ふん」って笑われた。

……そんな事で張り合われても……。
思わずジト目になって、気を取り直すとあたしは目の前のチャーハンをパクリと頬張った。






「ん、美味しい!」


なにコレなにコレ、すっごく美味しい!

もう一口パクリと食べる。
うん、美味しい。

キャベツチャーハンなんだけど、お米一つ一つがちゃんとパラパラで……。
香ばしい風味がいっぱいに広がった。



「だろ? やっぱ中華と言えばチャーハンだよな」

「はい!」


センパイが嬉しそうに言うもんだから、あたしも思い切り頷いてしまった。


あ……そう言えば。
センパイと自炊の話した時に、中華がいちばん得意だって言ってたっけ。

じゃあ、チャーハンも作れるんだよね。

センパイのチャーハンも美味しいんだろうな……。
てゆか、作るところ、見てみたいなぁ。

大なべを片手で軽々揺するセンパイを想像して、思わずにやけてしまった。


と、その時だった。


気が付くと、いきなり目の前にセンパイの手が伸びてきて。
クイッとあたしの口元に触れた。


え……。

一瞬の出来事で固まっていると、そんなあたしを見て、センパイは悪戯な笑みを零した。



ドキン……。

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