極上な恋をセンパイと。
お前が好きだ。
ドクン
ドクン
ドクン
心臓が加速する。
引き寄せられるように振り返れば……そこに現れたのは。
「……はあっ、はあっ……はあ」
どうして……。
「久遠……セン、パ……」
息を切らして、肩を激しく上下させて。
走ったせいで上気した頬、乱暴に緩められたネクタイ。
脇に抱えたスーツジャケット。
あたし達の目の前に突然現れたセンパイ。
「な、なんでここに……?」
呆然と呟くと、チラリと視線と落としたセンパイはそのまま顔を上げた。
「宇野さん」
え?
センパイはあたしを通り過ぎて、浩介の前に歩み出た。
茫然とその背中を追っていると、次の瞬間ギョッとして息を呑んだ。
「申し訳ありませんっ、佐伯の事諦めてもらえませんか」
「え……?」
……センパイが……。
浩介に頭を下げていた。