極上な恋をセンパイと。
「……起きたのか?」
「は……はい」
耳元で聞こえた声は、掠れていて。
あたしの身体は、性懲りもなく反応する。
フカフカのシーツの中で、センパイはその腕に力を込めると、さらにあたしを引き寄せた。
プラマイゼロの距離に、今更ながら無性に恥ずかしくなる。
えっと……えっと。
「せ、センパイ」
「……ん?」
ああもう、ヤバい。
センパイの声、こんな声だった?
やたら甘くて。気怠げで。
声が聞こえただけなのに、子宮の奥がキューってなって、あたしの身体はトロトロに溶かされてしまいそうだ。
「なに?」
肩口に顔を埋めてきたセンパイ。
うなじにちゅっと唇を押し当てて、「なんだよ」なんて吐息交じりに囁く。
たまらずに、息を呑んだ。
「か……会議どうでした?」
「……会議?」
「は、はい。今日の大事なプレゼン……」
「ああ。まあ、大丈夫だろ」
なんとも呑気な声。
「……」
どの案を採用するかは、今週中に連絡をくれることになっていた。
たまらずにセンパイを振り仰ぐと、すぐに頬が触れそうになって「あ」なんて固まってしまった。
そんなあたしを可笑しそうに眺めると、クイッと口角を持ち上げたセンパイは挑発するようにチュッと耳たぶに唇を寄せた。
「心配すんなって。 俺だぞ?」
……凄い自信……。