極上な恋をセンパイと。
不意打ちの告白に、耳まで真っ赤になる。
――――そして。
「渚、来いよ」
少し離れた場所で振り返ったセンパイが、あたしに手を差し出した。
「もう……」
うんと優しい笑顔を向けられれば。
もう、何も言えなくなってしまうんだ。
『人生を危険にさらせ!』
ある偉人は言っている。
危険?そんなの、とんでもない。
変わらなくてもいい、穏やかな平穏がいちばん。
そう思っていた。
でも、本当はそうじゃない。
危険にさらされても、ついて行きたいと思う人がいる。
きっと、この人とならどんな事でも乗り越えられる。
だって、あたしとセンパイは今始まったばかり。
これからなんだもの。
「……久遠センパイ、待ってください!」
そうしてあたしは。
センパイの元へ駆け出した。
極上の恋の続きを、する為に。
fin.