極上な恋をセンパイと。
「Il quel genre de chose est?」
え?
センパイの大きな声に驚いて、思わず身を縮めた。
それからしばらくホテルマンと話をしていたセンパイ。
荷物を持ってこちらに歩いてくるその顔は、心なしか青ざめている。
「……センパイ?どうかしました?」
「部屋が一つしかないそうだ」
「そうなんですか……」
え?
「ええええええッ!!?」
鞄を肩に引っ掛けながらセンパイはカードをあたしに見せた。
「部長……でしょうか……」
「いや、ここを予約したのは真山だよ」
真山くん……なんてミスを……!
「あの、ほかの部屋はとれないんですか?」
「明日はショーがあるだろ?どうもその関係で今日はどの部屋も満室らしいな」
「……そんな」
どうすんの……
まさかとは思うけどセンパイと同じ部屋なの?
チラリと目の前の人を見上げる。
その視線に気付いたのか、センパイと目が合ってしまった。
ドキンッ!!!
まるで弾かれたように頬が一気に熱くなる。
むむ、無理だよ……絶対無理!