極上な恋をセンパイと。
本当に素敵な部屋。
こんなとこに一泊でもできるなんて、うちの会社もやるじゃない!
…………って。
「……」
そんな事思ってる場合じゃないんだってば。
窓についた手は行先をなくしてその場に張り付いてしまった。
お、男の人と同じ部屋なんて……。
しかもそのお相手は、あの久遠センパイだ。
「佐伯」
「は、はい!」
ガチガチに固まっていたあたしは、センパイの声に思わずビクリと肩を震わせた。
「先に風呂入れよ」
「ええッ!?」
なな、なにを突然ッ!
思わず振り返ると、そんなあたしに驚いたようにセンパイは目を丸くした。
それからイジワルく目を細め、一言。
「なんだよ、一緒に入って欲しいのか?」
「はぃっ!!?」
な、なな。
なんなのこの人……。
『とりえず』この部屋に来たはずなのに、結局一緒の部屋に泊まるはめになってしまった。
「……はあ」
ガラス張りのお風呂に鼻まで浸かる。
今日の緊張と疲れが湯気となって立ち上る。
なんでこんなことに……。
ザブンと勢いよく湯船をでるとサッと体を洗い流した。