極上な恋をセンパイと。
「なんだよ?」って感じで面倒くさそうに振り返る久遠センパイの鋭い視線に、思わずビクっと震えてしまう。
「……あ、あのプロジェクトって何のお話でしょうか?」
動揺しながらも、そう尋ねると、センパイは眉間にグッとシワを寄せてなにか不審なものを見るような目をした。
?
「お前、なんも聞いてねぇの?」
「……はい。ほんとに今朝聞いたばっかりで」
シュンとうな垂れて、なぜか物凄く情けない気分になった。
「……ふーん。 このプロジェクトに少しでも携わりたくて必死になってる奴もいるってのに。 ほんとにやってけんのか」
「え?」
皮肉にも聞こえるその言葉に思わず顔を上げる。
「別に、嫌ならやめてもいいんじゃね?お前の代りなんていくらでもいんだろ」
「…………」
目を細めてそう言い放った、久遠和泉。
カチーン!
「だ、誰もやめるなんて言ってません!」
なんなの?
なんなんだこの人は!
頭に血が上る。
そのせいかな? なんか顔が熱い。
あたしのその反応を見て口元をフッと緩めた久遠センパイの顔は、まさにイジワルな悪魔だ。
「あ、そ?」
でも次の瞬間には、まったく興味ないみたいにさっさとあたしを置いて出て行ってしまった。
な、なによ、あれ……。
あの人と、これから同じ仕事してかなくちゃいけないの?
綺麗な顔して、言うことドS。
やっぱりあの噂は本当だったんだ。