極上な恋をセンパイと。
口の中のソーセージが、急にその味をなくしあたしは慌ててそれを呑み込んだ。
切れ長の瞳が、まっすぐにあたしを捕えている。
『なんつー顔してんだよ』
『襲われたいの?』
ドクン!
って、うわわ!
あたし、なに思い出して……。
かああああって、顔が火照るのを感じてごまかすように口を開いた。
「え、っと、あの、せ、センパイもこれ食べます?」
フォークに刺したままだったソーセージを、センパイの目の前に差し出す。
切れ長の瞳がキョトンと瞬いて、その綺麗な顔が歪んだ。
「は?」
「す、すっごく美味しいですよ?ジューシーで。お土産とか買えますかね? きっとみんな喜ぶと思うんです!」
それでもあたしの口は止まらなくて……。
そんなあたしの動揺っぷりにも、センパイは気にする様子もなくて。
「買ってくのは自由だけど、俺はいらね」
「……そ、そうですよね」
アハハなんて乾いた笑顔を浮かべていると、不意にセンパイがその手を伸ばしてきた。
えっ
反応する間もなく、その指先がふわりと頬に触れる。
「っ……」
「ソーセージと一緒に食っちまうぞ」
…………へ。
さっと髪をすくと、すぐに離れたセンパイの手。
ニヤリと意地悪な笑みを浮かたセンパイから、なぜか目が離せなくて。
ど、どう言う意味……?
真っ赤になった顔をどうする事も出来ないまま、あたしは無言で朝食を済ませるのだった。