極上な恋をセンパイと。
サーッと血の気が引くのを感じた。
と、その時。
「このアホ」
「あたっ」
いきなり頭をはたかれた。
ハッとして振り向くと、呆れた顔をしたセンパイがあたしを睨んでて……。
……怖っ!
「俺はお前のお守にきてる訳じゃねぇんだよ。 仕事を増やすな」
手に持っていたパンフレットでもう一度あたしの頭をコツンとした久遠センパイ。
言ってる事はキツイけど。
でも……ちゃんと探してくれた。
「は、はい。すみませんでした」
慌ててペコッと頭を下げる。
センパイはあたしの言葉を最後まで聞かず、さっさと先を急ぐ。
今度こそその姿を見失わないように、あたしは小走りで後を追った。
ファッションショーは、とても勉強になった。
今年のトレンドの物から最新のファッションまで、とても華やかで。
なんてキラキラした世界なんだろう。
耳をつんざくようなBGM。
ランウェイをさっそうと歩くモデルたち。
彼女達が身に纏う服たちが、まるで宝石のように輝いて見えた。