極上な恋をセンパイと。
「だって、いつもいちばんに出社してるし……それに夜だっていつも最後まで残ってます。
いつ寝てるんですか?前に言ってたみたいに、寝るのが惜しいって、ずっと会社にいるなんて事ないですよね?
ご飯はどうしてるんですか? それこそ食べてないんじゃないですか?ダメですよ!不摂生は!」
そこまで一気に言って、はあと息をついた。
……お節介だったかな。 一度口を開いたら、止まらなくて……。
チラリと視線をあげる。
イスごとクルリとあたしに向き合ったセンパイは、コトリとデスクに頬杖をつくと眉を下げて笑った。
「なんだそれ。お前は俺の嫁か」
「……」
よ、嫁!!?
真っ赤になったあたしを見て、可笑しそうに笑うとセンパイはギイと椅子を動かして宙を仰いだ。
「食ってるし、自分でも作るよ」
「ほ、本当ですか?センパイ料理も出来るんですねっ。得意料理とかなんですか?」
思わず身を乗り出すと、うーんと腕を組んだセンパイが首を傾げた。
「得意かどーかはわかんねぇけど、中華は好きだな」
「へえ!」
センパイが大なべを華麗にさばくさまを思い浮かべて、ニヤニヤしてしまう。
だから、あんなに腕が引き締まってるのかな……。
なんて考えていると、ジッと見られている事に気付いて頬が熱くなった。