極上な恋をセンパイと。
ハッとして、思わず後ろを振り返ってしまった。
もちろんあたしの後ろに誰もいないんだけど……ドギマギしながら顔を上げる。
だけど、課長はあたしなんかじゃなくて、他の社員を眺めていた。
び、びっくりした……。
微笑まれちゃったかと思った……。
勘違いだよね?
うん、そうだよ。
そう思うと恥ずかしくて、少しだけ火照った頬を隠したくて、慌てて俯いた。
「それから、サポートをしてくれる仲間が増えたぞ。佐伯!」
え?
「は、はい!」
急に名前を呼ばれ、顔を上げた。
「あ、あの……」
ぎゃ!
注目されてる!
「さ、佐伯渚です……。みなさんの足を引っ張らないよう、精いっぱい頑張ります。よろしくお願いします!」
言って、ガバッと体を折り曲げた。
「……ぷっ」
すると、すぐそばから小さな小さな笑い声が。
へ?
「……」
見ると、久遠センパイがすまし顔でそっぽを向いていた。
がーん
笑われた……。