極上な恋をセンパイと。


「……ってわけだから。イズミ、よろしくな」

「はい」

「佐伯、わからないことは何でもイズミに聞いて」

「は、はい」


ニッコリと清々しいまでの笑顔を残して、部長はたくさんの資料を抱えて出て行ってしまった。



『ってわけ』って何?


部長!軽すぎでしょー!

ポツンと取り残されたあたしは、久遠センパイをチラリと見上げた。

どうしよう……。
全部センパイに聞けって言われても。
何もわかんない……。



「……あの。久遠センパイ、改めてよろしくお願いします」



ぺこりと頭を下げる。



「……お前さ」



久遠センパイはイスに腰を落とすとパソコンを起動させながら、あたしを見ずに言った。



「何がわからないかもわかんねーだろ」

「え?」


うっ……お見通しだ。

グッと息を飲んだあたしをジロリと見上げると、久遠センパイは隣の開いてる机の上に、ドサっと資料を乗せた。



「見とけ」

「はい?」

「んで、まとめろ」

「はい。って、こ、これ全部ですか?」

「当たり前だ。出来ないとは言わせねぇぞ」



センパイはそう言って、さっさとパソコンをいじりだした。


「……」


お、鬼だあああ!

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