極上な恋をセンパイと。
前髪の触れる距離。
甘い吐息のかかる距離で、センパイはその瞳を細めた。
「もしさっきのが天然なら、こえー女だな。お前は」
「……」
なんの話?
そう言ったセンパイはすっごく意地悪な顔で口角をあげる。
でも、その瞳は見た事もない濡れた瞳をしていた。
「あ、あの……センパイ……ダメです」
「何が?」
うっ……。
不敵な笑みを浮かべたまま、その距離を保つセンパイからさっきのコーヒーの香りがした。
整った目鼻立ち。
ぷっくりと熟れた果実のような唇。
クラクラする。
センパイの香りに……熱に浮かされて、何も考えられない。
こうして、センパイに支えてもらっていなければ、あたしはすぐにでも腰を抜かすだろう。
震える手で、センパイの胸を押しやった。
でもそれはいとも簡単に捕えられてしまった。
「ほんとに……っあの……ダメです」
「なんで?」
「え?だ、だって……ここ会社ですよ?」
「……お前、可愛いヤツだな」
くくって笑うと、センパイはあたしの長い髪をその指に絡めとる。
なんなんだろう、これは……。