極上な恋をセンパイと。

頬に熱が集まるのを感じながら、チラリと柘植さんの顔を見上げた。


あたしの視線に気付いた柘植さんは、コーヒーを口に運びながらクスリと笑う。


彼の視線から逃れるように、残りのカフェラテをクイッと飲み干した。



その時、頬杖をついた柘植さんが口を開いた。



「そういえば、探してたよ?」

「へ?」



誰が?


首を捻ったあたしに、柘植さんがいきなり真顔になった。




「…………和泉が」

「んっ、ゴホっ、ゴホゴホ!え、く、久遠センパイが?」



思いっきり動揺してしまった。




な、なんで?

も、もしかしてちゃんと言ってくれるのかな?
付き合おうって。



と、その時。




「……あっははは」


耐えきれないと言うように、柘植さんが体をくの字にして笑い出した。




は?



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