極上な恋をセンパイと。
「すみません~。遅くなっちゃいました!」
そう言って、人懐っこい笑顔で現れたのは……。
「真山くん……!」
真山くんが、どうしてここに……?
走って来たのか、少し息が乱れてる真山くんがあたしに気付いて「え?」と言う顔をした。
同じように「え?」と首を傾げたあたし。
そんなあたし達を見て、白鳥百合は「そっかぁ」と嬉しそうな声を上げた。
ん?と白鳥百合を見る。
すると彼女はあたしと真山くんを交互に見比べて、ニコリと微笑んだ。
「どうして佐伯さんがここにいるのかなって思ってたんですよね。でも、なるほど、あたしわかっちゃいました~」
「え?」
わかったって、なにが?
なんであたし、ここにいるの?
パチクリと思わず白鳥百合を見つめてしまう。
でもその時だった。
いきなり手首を掴まれて、そのまま強くひかれた。
されるがまま、椅子から立ち上がってしまう。
え?
自分の手を見て、そのまま視線をあげる。
それは、久遠センパイで……。
センパイは、あたしをさらに自分の後ろに引き寄せながら、当たり前のように言った。
「んじゃ、俺らはこれで。行くぞ、佐伯」
「……へ?せ、センパイ?」
あまりに突然で、全然状況が飲みこめなくて、体のバランスを崩しながらセンパイの顔を見上げた。