血月-ブラットムーン-の洋館
‡episode 1‡
ここが『ソネット村』
父さんが消えた『血月』がある所……
「ピアザザ早くしてよ!」
「ア……アーシェが早すぎ」
ピアザはあたしの彼氏。というか、婚約者。本当はこんな危ない所に連れて来たくなかったんだけど
「アーシェ今、『連れて来たくなかった』って、思ったでしょ。」
「げっ、なんでわかったの!?」
そうなの。
昔からこういうのには、やけに鋭い……
「顔にそう書いてある」
「書いてないっ!」
「ぷっ……どうだか」
「うるさいわねっ。」
「照れてる照れてる。」
そして、そんなたわいもない話をしているうちに私達は湖にやってきた。