血月-ブラットムーン-の洋館
私達はただ前に向かって走った。
「はっはっ……っ」
「はっは…はぁはぁ。アーシェ、もう大丈夫だよ。」
「はぁはぁ……ほんと?後ろから来てない?」
「うん。大丈夫だよ。」
「そぅ。」
………
…………
ここはどこだろう。
さっきからずっと周りも見ずに走ってきたから、ここがどこかわからない。
「アーシェ、地図持ってる?」
「あっ……!そういえば確か、このポケットにはいっ……?」
ない。
ないないないない。
どこにもない。
そんな……
さっき走ってた時に落としたのかな。
やばい
どうしよう
あれがなかったら
帰れないのに
一体どうしたら……
「アーシェ……ねぇ…アーシェってば!」
「なによっ、うるさいわね。今私は考え事を…」
「ここって血月じゃない??」
「えっ?」
「だって……ほら、湖の向こう側に村人達の死体が見える……」
「ほっ……ほんとだ。じゃ、じゃあここは!」
「あぁ。きっと血月だ。僕達が探してた血月だよ。」