僕の憂鬱 2【短編】


どうして、誰も止めないのか?



僕がその場にいたら、力ずくでも父さんを止めに入ったのに。



そう思いながら、横で洗濯物をたたむ母を見るとなんだかカリカリと洗いたての洗濯物を爪で擦っている。





僕は……
ピンときてしまった。




あれは……

あの八の字についた黒いスジは……




『目』だ。



いいや、正確には八の字ではない。おそらく僕は逆から見ているのだ。





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