「君は今、幸せですか?」
入ってきたのは二人組の男の人達。
二人共長身で整った顔をしている。
一人は黒の短髪で誠実そうな顔をしている。
この人はよく知っている。
莉那の彼氏の「尾崎 拓海(おざき たくみ)」
もう一人の顔を見た時、時間が止まった気がした。
えっ…何で…?
「拓海〜!!!」
莉那が立ち上がって大声で二人組を呼んだ。
あっ…いけない…あの時に決めたんだ…。
動揺している心を無理矢理押さえ込み、普通にするように努めた。
「莉那!!!」
呼ばれてこちらに気づいた。
普通にしようとしたのに、私は顔を合わせられずに俯いていた。
だからあなたが一瞬、ほんとに一瞬だけ、悲しそうな顔をしたのに気づかなかった…。
気づいていたら何か変わっていたのかな?
少なくとも、あなたの心の傷を減らすことは、出来ていたかもね…。