おいてきぼりのピエロ
…ホスト。



『似合ってるね』
『ナンバーやったしな』
『ナンバー?』
『人気者だったってこと♪』
『…ふーん』


別にわたしは、夜の仕事になんの偏見もなかった。
むしろ、キラキラ輝いてみえて素敵、とさえ思う。



『それでお酌とか綺麗にできるんやね』
『格好つける仕事やからなー』
『あはっ。格好つけてたんだ』
思わず吹き出してしまった。

『格好いいから格好つけれるんだよ!』
『自分で言う〜?』






『…でも、ホスト面白そうやね』
『面白かったぞー。死ぬほどキツかったけど』
『え?楽そうじゃん。お酒作って〜、おしゃべりして〜、お酒呑んで』
『それは誰でもできることだろ』
『だから楽なんじゃん』
『誰でもできることやってても稼げねえよ』
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