おいてきぼりのピエロ

「あ、馬鹿なことしてる」
レンズの先には、暴行を受けている女の子が、必死に男のペニスをくわえる姿が映し出された。


「あ、殴った」
彼女のフェラチオが気に入らなかったのか、思いっきり顔面を殴る男。


「あーあ、あれ、絶対なまやな」
しかも絶対、前戯なし。
あれじゃ痛いわ。


「てか、学校でヤるとかリスク高いことするなんて馬鹿でしょ」
いつかバレて、しょっぴかれるな。








「てか、そこまで見たのに助けてあげんと?」
は?!

驚いて、自分でもびっくりするくらいのスピードで振り返った。
わたしの声しか響かなかったこの空間に、突然現れた声。



ここは学校の屋上。
普通に、入ることなんてできない場所。

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