Sweet Time
「え?」
隣の男子が話しかけてきた。名前は安西時也。けっこうモテる男子。
私、あんま男子と話さないタイプなんだけど…。
「あ、あのっ、大樹が好きとか、好きじゃないとか…」
すごい焦ってるよ、安西くん。てか、安西くんもそれ!?
「そう!!俺も気になるんだけど!」
と、安西くんの後ろから顔を出した男子。掛谷類。けっこうな女好きらしい。
「え…と、その…」
柚子が困っていた時だった。
「類ー?あのさ、はいコレ。この前借りてたCD、返すよ」
「だ、大樹…?」
大樹だった。
「あんまり、女子に群がらない方がいいんじゃない?麻原さん、困ってるじゃん」
…あいかわらず、仮面かぶってるなぁ。
今の大樹はすごく紳士的な男子。本当の大樹じゃない。
「麻原さん、大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ。ありがとう、だ…河野くん」
大樹って言っちゃいそうになったよ…。