Sweet Time
二人だけの時間
「…」
柚子は屋上に来ていた。
キーンコーンカーンコーン♪
あー、授業サボっちゃった。
それには理由があった。柚子の意思でサボったわけではない。
<次の授業、屋上に行っとけ。絶対だからな。>大樹からのメール。
…ということ。大樹の命令は絶対。命令、聞かなかったら何されるか…。柚子には分かり切ったこと。大樹のことだからね…。
なんだか、今日は大樹に甘えたい気分だなぁ。…何キモいこと思ってんだろ。
「柚子」
そう名前を呼ばれた。
「大樹」
柚子は大樹の元へ駆け寄り、抱きついた。
「どした??今日は素直だな」
「…さっきはありがと」
「当たり前のことだ。俺の柚子に手ェ出そうとしやがって…」
「女に興味ないって?」
「柚子以外の女には興味はねぇよ。嘘は言ってない、本当のことだ」
大樹は頭をなでてくれた。
あぁ…私、大樹好きだなぁ。こんなに胸がドキドキしてる…。バレてないかな。