Sweet Time
キーンコーンカーンコーン♪
「セーフっ」
チャイムと同時に席に着席。
「ギリギリだね、柚子」
後ろから話しかけられた。
「あ、華代おはよう」
この子は華代。もう一人の親友だ。
「おらー、席つけぇ」
担任の先生が入ってきたと同時に体制を戻す。
柚子はふと振り返った。
窓側の一番後ろの席。
「じゃ、出席とるぞ」
大樹のやつ、大あくびしちゃって…。
そうその席は大樹の席。大樹は柚子の視線に気づいて、少し笑って見せた。
すると大樹は首を前に押し出すような動作を見せた。
…何?
「麻原っ!!!!」
「!!は、はい…!」
あ!出席取ってるんだった…。あー、もう恥ずかしいよぉ。こんな状況をまさに「穴があったら入りたい」とでも言うんだろうね。
また大樹を見てみるとかすかに笑いをこらえていた。