LEVEL【番外編】
最近は気味が悪い程静かだった。
でもそれは俺のためで、
何だか元気の無かった翔子は翔子じゃなくて、
何だかこっちまで調子狂う。
小さいときから一緒で、幼稚園から高校まで一緒で、…
いつの間にか帰るのも一緒だった。
「付き合ってるの?」
なんて訊かれるくらい一緒だった。
あの黒い短い髪。
あの強気な目つき。
あのすらっとした体。
そんな翔子が隣にいないんだ。
たった、…あの甘い匂いが俺を狂わせたみたいに翔子を強調させている。
あの匂いを嗅ぐと翔子を見つけてしまう。
「どうしたんだ……俺…」
翔子みたいな奴、1人な訳で、相談する奴なんてこのクラスにはいない。
友達はいるけど、翔子みたいに何でも話せる奴なんてなぁ…。
「よーっス凌」
いた。
「庚樹。」
チョイチョイと手で庚樹を呼ぶ。
「何だよ」
「今日お前暇か?」
「何だよ。珍しいな。マジメっ子な凌が…」
「いいから…」
何だかイライラしてきた…。
「暇人暇人!!もぅ俺就職先決まってるから暇人です!!」
「今日俺ん家来ねぇ?」
「…。」
「何だよ;;」
「何だか俺、凌の家で殺されそうだな;;」
「本当に殺すぞ」
「やめて;;凌が言うと冗談に見えない。アル意味で」
「はいはい。じゃぁ帰りのHR終わったら行くからな」
「はいはーい♪」