LEVEL【番外編】
俺の目の前には顔を真っ赤にして何かを言っている川上に、目を見開いたように見える翔子。
………何…触ってんだよ…。
気づくと俺は翔子達の目の前にいて、川上の腕を掴んで手首を捻っていた。
「翔子に触んな…」
自分でも驚いた低い声。
川上を捻った手を逆の手で翔子の手首を掴んで俺の家に向かって歩いた。
俺の家の玄関の近くで庚樹は柵に寄りかかってニヤニヤした顔で俺を見ていた。
『死ね』
内心思った。
乱暴に階段を登って、
乱暴に俺の部屋のドアを閉めた。
途中に母さんの怒った声がしたけど無視ろう。
「ちょっ何!?」
入った瞬間、翔子の声にハッとした。
「何でも……無い」