LEVEL【番外編】





「何でもないならこんな事しないで」


胸にずしっと来た。
翔子が俺の部屋にいるってことで緊張して、
その言葉でまた心臓が痛くなった。


「こんな……思わせぶりな事…しないで…」

後を見たら翔子は顔を伏せていて、


「好きじゃないならこんな事…しないで。」
「どうせ…りょ、…好きじゃ…ない・・くせ…・・に…」


肩は震えて、声が震えていて、
聞き取りずらかった。

見えない顔から、涙が出ていることに気づいた。
だって…ポタポタと音がして、
翔子が抑えている手からは雫が伝っていたから。





「りょっ…の馬鹿…ぃや…」



「このっ・・前も…あんなっ…事、してっ……」


「あたっ・・しに……期待…させないっ・・で…」






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