LEVEL【番外編】
「翔子…」
「翔子…」
「翔子…」
何回呼んでも翔子は顔を上げないで涙を止めない。
好きな人が泣くと、けっこう辛い。
予想以上に辛い。
「泣くな…」
俺が翔子の顔に触れようとしたとき、
「いや…」
「…」
「辛い…」
どんなに痛い思いをしても『辛い』なんて言わなかった。
そんな最強の翔子が、「辛い」って言った。
翔子がドアノブに触れて、俺の部屋から出て行こうとした。
バンッ
翔子はその音に肩をすくめた。
「なっ…」
「好きだ」
「……………ぇ……」
「もぅ言わない」
あんな恥かしい事言えるか///
「………ほん…と…?」
やっと上げた顔は、涙でグチャグチャ。
「………ホント…///」
「……笑美…は………?」
俺が誰?という顔をしたら
「杉浦…笑美」
と言った。
「何とも思ってない」
そぅ笑うと翔子は見開いて顔を真っ赤にした。
「(分かりやす……(笑))」