LEVEL【番外編】
「じゃぁな」
目の前に立っている岡田くんは―――
撫でるように右肩甲骨から左肩に触れて、
最後にアタシの頭を撫でた。
「うん」
アタシがさっきまで着ていた深緑のジャンパーを着て、
鞄を肩に掛けている岡田くん。
頭を撫でていた大きな左手は、
肩に回っていてゆっくりアタシを引き寄せる。
「?」
小さく笑うと―――……
瞬きをした次の瞬間、
目の前にはドアップの岡田くん。
「…へ……っんっ…!?」
一瞬のキス。
アタシの唇を挟むような、初めてのキス。
「なっ///」
「じゃぁな」
「えっあっ」
そぅいって岡田くんは笑顔のまま玄関を出た。
「あ……」
バタンと重い音がした後、虚しく思えた。
でも………唇に残る温かさが……アタシの心を温かくするから。
今日は素敵な1日でした。
【END】