ぶたねこ“ハッピー”の冒険

ヒミツ基地

そのうちビョーンと伸びをしたかと思うと、ベンチを飛び降りて公園の入口の方へ走り出した。

そこには例の絵かきおやじさんの姿。
白いビニール袋を下げてる。

ぶたネコはゴロニャーと、おやじさんの足元に額を擦りつけた。

ええっ?と、あまりにも驚くオレの様子にYUIも振り返って見てる。

おやじさんは慣れた様子でネコに話しかけながら、公園の隣の小屋に入った。

オレは自分を押さえることも忘れ、小屋目指して歩き出していた。

壁越におやじさんがネコに話しかけながら、食べ物を与えてる様子が窺えた。

ネコはマオマオ言いながら食べてる。

窓一つ無い小屋がどうなってるのか気になってしょうがなかった。

YUIはベンチから何事かという表情で見てる。

ギギー

滑りの悪そうな扉が開いておやじさんが出てきた。

チェックのキャップを深目にかぶってる。

しかも釣りマニアが着そうな、大小沢山のポケットが付いた革のベストを羽織ってる。

まるで、ハンティングにでも行きそうな格好だ。

ネコも足元に絡み付きながら出てきた。

「さあて行こうか、ルナ」
吹出しそうになるのを堪えて鼻水がでた。

ルナって面か…
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